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夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦氏の「夜は短し歩けよ乙女」読了。なんというか圧倒。あれ、なにかすごいのに出逢っちゃった?という衝撃的奇想天外奇天烈天外魔境な遭逢。ひと言で云えば一期一会である。まこと意味不明で申し訳ないことですが、そもそも私が書くほどもなく、本年の本屋大賞2位ということからお判りのように、皆さま既に読まれている、もしくは、ベストセラーなんて低俗で無粋なものは読まないのだよ、というご意見をいただくことが予想されますが、それでもなお、書かせていただきたく馳せ参じました。何処から?という疑問はぐっと堪えていただくとして。

さて、圧倒とは書いてみたものの、豪傑が縦横無尽に活躍したり、世界が3回ほど入れ替わるようなどんでん返しがあるわけではありません。いや、あり得ないほど個性豊かな登場人物たちと想像不能な展開が往く先々で待っていたりもするのですが、それは本筋ではないというか、謂わば形容詞みたいなものなのです。むしろ、どちらかと云えば落ち着いた調子で淡々と綴られていくこの物語の空気やリズムや心意気が素晴らしいとただ思うのでした。

登場人物たちの主観で進行していくのに、とても客観的な、それでいて独特な旋律を持った文体。豪華絢爛でも波瀾万丈でもなく、ただ、延々と続く縁日のような小説です。ああ、日本語が使える人でよかった。と誰にともなく感謝したくなる、言葉の面白さを再認識した一冊でした。そしてよい文章家に出会えて本当によかった。


「奇遇ですね」
「たまたま通りかかったものだから」

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