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candylogue

April 2008June 2008

May 2008

プルーフ

13時過ぎまで沈み込むように寝込み、開演10分前に出掛けて滑り込む。
ハイリンド観劇2回目。観に行こうかどうかと悩んで、結局、ふつうのちゃんとした芝居を観たかったのと、楽園には行ったことがなかったのでその興味も含めて観に来た次第。そして、予想に違わずちゃんとした芝居を観ることができて満足。特に飛躍はないし、研ぎ澄まされた閃きみたいなものもないのだけれど、こういうものを観るとほっとする。何より、近所で気軽に観ることができるのがある種の豊かさなのかな、と思う。

ハイリンド「proof」 (小劇場楽園)
作:デイヴィッド・オーバーン
翻訳:小田島恒志
演出:松本永実子
出演:多根周作、はざまみゆき、伊原農、松元萌

SUICA 2008

今年初めてすいかを食べる。甘いよ。

魅力的なリーディングの案内

6月に三軒茶屋のシアタートラムにて「醜男(ぶおとこ)」というリーディングがあります。リーディングというのは、一般的な演劇で見られるような演技は最小限に抑え、役者がテキストを読むことで進行していくとてもシンプルな形式の舞台のこと。稽古は公演の数日前から行われることが多く、役者も含めた新鮮さと危さが魅力的だったりする。故につまらないと感じる人も多いと思う。演出はノゾエ征爾、出演は中山祐一朗、緒川たまき、原金太郎、山中崇。なんだかとてもとても魅力的で面白そうなのですが、残念ながら都合が合わず観に行けなそうなのが残念。13日の金曜日は19時から、14日の土曜日は14時から。料金は1,000円。お問い合わせはこちらまで。

演劇を起因とする降雨

両国駅から歩いて、京葉道路を越えて、首都高小松川線を潜り、ベニサン・ピットにて観劇。いろいろなことはさて置き面白い。この、目の前で展開する動きと科白と舞台装置のひとつひとつが芝居というものの面白さ、その因子となることを改めて実感する。それと、ベニサン・ピットは初めて来たのだけど、いい場所だなと思った。不便で急で無骨なところが良い。

そのあと、森下から懐かしの神保町に移動して、降り出した雨の中、傘を差してうろうろしながら共栄堂でチキンカレーを食べたりする。夜は久々だったり久々じゃなかったりする面々と会う。中西の牛鍋が旨かった。

阿佐ヶ谷スパイダース「失われた時間を求めて」 (ベニサン・ピット)
作・演出:長塚圭史
出演:中山祐一朗、伊達暁、長塚圭史、奥菜恵

水曜日の王子

ふと思い立って、平日だけれども早めに仕事を切り上げて、王子で芝居を観る。自宅からだと結構遠くて避けていたのだけど、会社からだと気軽。相変わらず入り口がわかりづらくて、ほんの少しだけ通り過ぎてから戻って地下に降りてみると、思った以上に混雑。というか満員?平日なのにすごい。小指値改め快快(ファイファイ)の第1回公演。前回の小指値の公演がものすごく評判が良くて、折角近所でやっていたのに観に行けなかった悔しさから、今日来たのだけど、果てさて。というところなのだけど、とても眠たいので、続きはまたそのうち。

帰りの電車の中で小説を読み終えて、間髪入れずに次の本を読み始める、ということを最近続けていて、そういう余韻の無さというか、あるいは準備の良さみたいなものは、どちらかというと好きな部類の感覚であり、大切にしたいと思う。

快快「ジンジャーに乗って」 (王子小劇場)
作:シノダ+北川
演出:篠田千明
監修:北川陽子
出演:天野史朗、篠田千明、大道寺梨乃、中林舞、野上絹代、山崎皓司、池野拓哉

歩くことについて

例えば自転車に乗りさえすれば10分と掛からずに行けるところでも歩いていく。あまり遠くなると、公共交通機関に頼ってしまう訳だけれども、それは単に電車やバスが好きだからであって、また別の話になる。

何の話をしているのかというと、歩くことについて。街の音や地面の固さや熱を感じること、そして何よりもその場所を記憶に留めるということが、ほかのどの手段を用いたものと比して精度が高い。目的地がある場合、当然、そこに行くことが移動する最大の目的になる訳だけれど、その次くらいの目的として、その場所までの過程、あるいは、範囲を記憶に留めたいという欲求がある。だから車や電車で移動するときも余ほど疲れているか、勝手知ったる場所でない限りは寝たりしない。せっせと周りを見る。そしてそれを記憶する。別に暗記がしたい訳ではないし、テストがある訳でもないけれど、そうすることで、その存在を自分の中に少しだけしまうことができるのが何よりもうれしい。つまりは一種のコレクターだと思う。風景コレクター、というとちょっときれい過ぎるので場所コレクターというのが適当かも知れない。適当ではないかも知れない。

話を戻すと、それが歩くことによって、より強く刻まれる。そしてそれはなかなかに耐久性が高くて、時間とともに損なわれる量や質がとても低く抑えられる。だから時間さえ許せば、歩くようにしている。見当をつけながら道を選んで進んでいった先が、記憶の中の地図と重なっていたりすると楽しいし、間違っていたとしたらそれを補正していくのも楽しい。それが初めて歩く街であればなおさら。ちなみに写真を撮るということとはまた違うらしい。

歩いて団地

三宿のIID「大団地展3」を観る。スライドショーで団地の造形を愛でて、おまけに共喰いキャラも愛でる。24日もゆるい感じでスライドショーがあるので興味のある未見の方にはおすすめ(何といっても無料だ)。興味のない人は行かなければいいと思います。

これなんだろほかにもあるよ

散歩紀行・下

やや雨。気温は昨日よりは少しだけ上昇。阿部野橋から吉野行きに乗る。久々の狭軌を走り、雨粒を払うワイパーと濃度の高く重い空気を眺めること37分。橿原神宮前で標準軌の橿原線に乗り換えて八木西口で下車。今井町をしばらくの間、タテヨコに歩く。てくてく。こういうところなら住んでもいいかな。と思う。雨降りの静寂で長閑で退屈な場所は心が痛い思いがして心地良い。そのあと、気紛れに桜井線の畝傍駅を訪ねてみたりしながら、大和八木から都会に戻る。

鶴橋から歩く。昨日懲りているはずなのにまた適当に歩く。でも迷わずに天王寺着。この頃にはすっかり天気も良くなり青空になる。少し疲れたので天王寺動物園で羊などを前にして、1時間半くらい本を読む。遠くには通天閣。特になんてことのない日曜日。そろそろ時間になったので、恵美須町から地下鉄に乗り、長堀橋経由で心斎橋、さらに四つ橋まで歩いて、PORTRATIONをもう一度軽く覗いてから帰途につく。

心斎橋、梅田、蛍池と辿った頃には陽が傾いて、間近に迫った山と機体はオレンジ色に染まる。やがてすっかり暗くなり街の光を上空から眺めた30分後には東京の光を眺めている訳で、この散歩もおしまいおしまい。

散歩紀行・上

雨。車内の路線図を眺め、下車駅を蛍池から変更して万博記念公園で降りる。嗚呼、エキスポランドってここなのか。と頭の中でつぶやきながら、手がキュートな太陽の塔を見上げつつ、公園の奥にある国立民族学博物館の常設展をゆっくりと巡る。静かでとても落ち着く。但し、ちんこを連呼する子どもとそれを咎めない親を除く。昼過ぎに駅に戻り、南茨木経由で梅田まで。相変わらず十三からの複複々線は壮観で萌える。必見である。

阪急から大阪駅を通り過ぎて地下に潜り西梅田から四つ橋6番出口へ。四つ橋筋から路地に入って2つ目の角を左に曲がったところにあるART HOUSEにて、中村佑介氏のPORTRATIONを鑑賞。知ってはいるけど不思議な声のご本人と書きたてのポートレイト群をこれでもかと観る。しかしながら同じ場所にずっといるのは苦手なので時間としてはそれほどでもない程度で退散。心斎橋を抜けて日本橋から地下鉄に乗り、谷町九丁目で乗り換えて天王寺で下車。ひとまずホテルに落ち着く。結構歩いたのでしばらくまどろむ。

夜。引き続きの雨と下がり続ける気温の中、出掛ける。新世界を目指すもなぜか大国町まで歩いてみたりしながら、適当に見当をつけて見当違いにさまよう。ほとんど人も居ないし暗いしで、なぜだか楽しい。夜の散歩ほど考え事に適した環境はないと思う。阪堺線の軌道や薄暗い今宮戎駅の有人改札なんて素晴らしく素敵。最終的には通天閣をくぐり、天王寺公園の縁をまわってホテルに戻る。就寝。

日常から逡巡して解脱にいたる

最近、予定と予定の合間に喫茶店で本を読んで過ごすことが多いのだけど、予定が詰まっていてもその時間だけがいやにゆっくりと進むので、なんだかスローライフ。まあそれは錯覚なのだけど、そもそも大抵のことは錯覚みたいなものなので、気にせずに騙されているのが良いと思う。

ということもあり、近年希にみるほど本を読んでいる今年ですが、シリーズ物としては最も好きと云ってほぼ間違いない水柿君シリーズの最終巻にして完結編「工学部・水柿助教授の解脱」を読了。このシリーズ、小説のフリをしたエッセイと思わせておいて限りなく私小説的でありその実は......という作品である。それが何かは読んでのお楽しみ、などと思わせぶりなことを書いて煙に巻くのもまた一興。まあしかし、きっと大抵の人はあまりのくだらなさに、途中で読むのを止めるだろうし、あるいは人によっては立腹するかも知れない。いずれにしても途中で止めたところで実害はないし、そうしたいのであればそうするのが良かろう(上から目線)。間違いなく森博嗣の著作物の中でいちばん面白いと思うが、でも薦めない。面白さの中にいろいろと示唆に富んだことが書かれていて、それがとても興味深い、ということはさておき、だらだらと読むことをお薦めしたい。なんだお薦めしてるじゃん。