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2008年の観劇趣味を振り返る

今年最後の観劇は二本立て。昼はスズナリで冨士山アネットを観る。冨士山アネット初見。主宰の長谷川氏曰く、「演劇とダンスのスキマ産業」ってことで、演劇のように台本はあるのだけど、演技としての台詞はほぼなくて、それらを身体表現に変換しての1時間。出演者はダンサーよりは役者が多いとのことだけど、テンポも含めてとても面白かった。また観てみたいな。夜にはアゴラ劇場で東京デスロックの「その人を知らず」。デスロックは前回公演の問題作「CASTAYA」しか観ていないので、実質的には初見。もうずっと観たくて、ようやく観る機会を作れた、と思ったら、今回で東京公演はしばらくお休みということで、タイミングが悪いというか、ギリギリセーフというか。三好十郎の戯曲を改編なしでそのまま上演ということで、「ふふ」とか「はは」とかの台詞がそのまま、おそらく一文字一句変えずに使われていて、面白い。休憩ありの3時間公演に長台詞多用で、ちょっと気張ってしまうところもあるのだけど、主人公がただ自分に誠実で忠実にいることがまわりを巻き込み、自分をも巻き込んでいく、その風景を眺めている時間は、厳かで抽象的で、なぜか年末に相応しいと思った。

冨士山アネット「不憫」 (ザ・スズナリ)
作・演出:長谷川寧
出演・振付:山本伸一、石川正義、大石丈太郎、石本華江、石山優太、上ノ空はなび、大西玲子、草光純太、玉置玲央、深井順子、長谷川寧

東京デスロック「その人を知らず」 (こまばアゴラ劇場)
作:三好十郎
演出:多田淳之介
出演:夏目慎也、佐山和泉、猪股俊明、山村崇子、佐藤誠、桜町元、村上聡一、坂本絢、征矢かおる、山田裕子、笠井里美、折原アキラ

2008年は、本当にたくさんの芝居を観た。今後も含めて人生でいちばん芝居を観た年になるのではないかと思う。これだけ観ると、もっと観たい、という気持ちよりも、もういいかな、という気持ちが出てくる。決して飽きた訳ではなくて、観たい芝居は引き続きたくさんあるのだけれど、セーブしなきゃ、という気持ちと、ある程度、把握できたかなあという思いがある。これより深入りするには、覚悟が必要だという怖さも含めて。来年、一歩下がるのか、一歩踏み出すのか、どうなるのかが自分でもとても楽しみ。

今年一年芝居を観て、小劇場の方が自分に合っているというのはわかってきて、いわゆる商業演劇系、あるいは、大手プロデュース公演系はあまり観ないようにしてきたのだけれど(高いし)、その中ではこのあいだ観たKERA MAPの「あれから」がとても良かった。小劇場系だと、五反田団「偉大なる生活の冒険」、ハイバイ「オムニ出す」、クロムモリブデン「血が出て幸せ」、劇団宝船「愛される覚えはない」が鉄板。どれももう一度観たい。人で言うと、岩井秀人、前田司郎、高木珠里、内田慈あたりが群を抜いてお気に入り。あと、イデビアン・クルーの「排気口」、クリウィムバアニーの「贅沢ラム」のダンス2本が印象的だった。破壊力としては「投げられやす〜い石」が挙げられる。あの辺からは岩井秀人の虜。好きな劇団の中ではいちばん大手のナイロン100℃は、昨年の「わが闇」の印象がまだ強く、来年に期待ということで。春の本多劇場にもきっと行きます。来年、観る本数が減るとして、ハイバイと五反田団は外したくないのと、まだちゃんと観ていなくて、一度は観ないと気が済まない劇団として、サンプル、イキウメ(試演会は観たけど)、柿喰う客があるので、1回ずつは必ず観に行きたい。それにしても、今年は面白い芝居がたくさん観られて良い年だったなあ。よかったよかった。

今年観た芝居たち(芝居じゃないのもある)

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