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2008年の読書趣味を振り返る

今年はここ数年では割合と本を読んだと思う。なお、下のリストからは仕事向けの本は除いている。除いているのだけれど、実際、あまり仕事向けの本で参考になったと思うことはない。そもそも読んでいて面白くない。まあ、オモシロが目的ではないので仕方がないのだけど、どうもそういう実用的な本は心ときめかないというか、ぐっと来ないのだ。何であれぐっと来ないと頭に入らない。これまで仕事やその他何でも良いのだけれど、本を読んで実用になった!と思うことの大半は、実用書からはほど遠い、小説やエッセイや漫画や、あるいは本ではないけれど、ブログとかその手のものだ。ハウツー本やら啓発本より、本のテーマはどうでもよくて、そこに表出する考え方だったり、論理、あるいはセンスみたいなものに心がときめいて、ぐっと来る。で、そういったものが、ふと、「あ、これ使えるじゃん」という感じで実利となることがとても多い(但し、当然のように打率は恐ろしく低い)。「これが答えです」みたいなものより、何かに付随するエッセンスの方が信用できるというか。まあ僕が捻くれているだけ、とも言える。僕はどうも考えがちな性格のようだけど、きっと他人からの答えよりは、自分で納得のいく答えを求める傾向が強いのだろう。言い換えれば自分勝手だ。これからも自分勝手にいろいろと咀嚼して、役に立たないかも知れないエッセンスを集めていきたいと思う。

僕は村上春樹のことを昔はとくに理由もなく嫌っていて、ずっと敬遠していた。現在において村上春樹のことは語り尽くされていると思うし、その中でいまさらとくに際立ったことは言えないのだけれど、精緻な彫刻のように削り出される言葉とどうしようもなくいい加減な話によって組み立てられる言葉の集合体に、薄暗く力強い意思が感じられて、静かに心が揺さぶられる思いがする。あえて一冊を挙げるとすれば、処女作の「風の歌を聴け」。理由は説明すると長くなるので割愛する。そのほか、今年読んだ中でとくに印象的だったのは、「美女と竹林」「赤めだか」「工学部・水柿助教授の解脱」あたり。でも、いちばん良かったのはこれらではなくて、「森博嗣の道具箱」。本、とくに娯楽本の類なんて、大抵の人は読まないみたいだから、薦めてもあまり意味はないと思うのだけど、あえて薦めるならこの本だと思う。読んでみて、「詰まらなかったよ」と言われたとしても、まあこれでそう言われるなら仕方ないよな、と思えるから。来年もぼちぼちと読んでいきます。

今年読んだ本たち(抜粋)

comment

あぁ、私も村上春樹は理由も無く今まで敬遠してました。そして今年も食わず嫌い直すかと思ったけど、現在も継続中。 東京奇譚集とか、彼のエッセーとか、全然問題なく読めたので、よっしゃって思って海辺のカフカに挑戦してみたけど、やっぱり駄目だった。ネックだよ 私にとって村上春樹。

nami 08-12-30 Tue 00:55

海辺のカフカは全然OKでした。
きっともっと多感な時期に読んだら、感銘、もしくは、拒絶があっただろうと思うのですが、いまはもうたぶん枯れかけているので、俯瞰というか、こういう表現面白いなあ、とか、よくわからないけれどこれが村上春樹的なのであろう、とかそういう感じで読んでいます。

kentas 08-12-31 Wed 16:27

あけましておめでとうございます。
うーん、いまだ多感な時期とは考えたくないものだけど、おいしいとわかっているものが食べられない悲しさというのか、とりあえず改善したいものです。
対処は読む順番なのでは?という説もありますが、どうなのでしょうね。

nami 09-01-01 Thu 19:02

あけましておめでとうございます。
読む順番ですかー。あんまり考えずに読んでいたので、適切な順番についてはよくわからないのですが、「羊をめぐる冒険」はすんなりと読めました。あるいは短編(回転木馬のデッド・ヒート)をもう一冊読んでみるのはどうでしょう。

kentas 09-01-02 Fri 15:53
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