home  

candylogue

July 2009September 2009

August 2009

今更に1Q84の感想を書く間の悪さ

先々週くらいから村上春樹の1Q84をようやく読み始めて、読み終わる。村上春樹を文庫でしか知らない遅咲きの私としては初の新刊村上春樹なわけですが、はじめは期待値が高い分、あんまり面白くないなあ、でもまあ大丈夫なんじゃないの? などと思いながら読んでいました。で、読み終わってみると、いつの間にか面白かったなあに変わっていることに気づいたのですが、じゃあ何処が面白かったのかと考えてみると、よくわからない。よくわからないけど、きっと文章の削り出し方とか、計算尽くなのだろうけど、緩い感じの表現など、つまりライティングの技巧的な部分に感心しているのだと思い至る。そういう楽しみ方はマニアックな反面、よくある村上春樹的楽しみ方でもあり、それ自体にユニーク性はない。だけれども、興味深い表現を創出する傍らで、付随して生成される話の面白さ、表現が主で、話が従、みたいなものが村上春樹小説の神髄だなどと書いてみたりすると暴論だろうか。暴論ですね。すみません。えーと、なんだっけ。感想はというと、面白かったです。とても。

それと、前にも書いたけれど、この装丁は好きじゃない。いや、むしろ嫌いです。文庫が出たら買い直そうかしら。ハードカバーってかさばるけど、装丁やずっしりとしたところが素敵だったりする。でも、これにはそういう素敵さが見あたらないのだな。中身がいいのだからそれでいいじゃない。という意見に対しては、中身がよくて外見もいい方がいいに決まってるじゃないですか。と反論させていただいたところで終わります。あ、さらにずっと前から買ってあった村上ラヂオも余勢を駆って読了。これは面白い。文庫だということも含めてね。

CASTAYA再び

昨年の悪夢再び、を体験しにアゴラに行く。ただ、今回は内容非公開ながらもまたきっと何か企んでいるのだろう、という予見があるので、その意味では既にあのときとは違う。内容は高野しのぶさんのところが詳しいのでそれに譲る、というか手抜きをするとして、得難い体験をした、というそのことだけで満足した。面白かったかと聞かれると、うーん、という感じなんだけど、そういうことを期待するものではないだろうという、諦めみたいなものがあるので、とくに気にしない。もちろんこれは僕自身の内部処理の話なので、金返せ、的なことを思う人がいるのはそれはそれで全然構わない。構わないというか、それは僕とは関係のないことなので構わないのだけど。いろいろ考えさせられる演劇でした。考えされられる演劇がよいというわけではないけどね。

CASTAYA project「Are You Experienced?」 (駒場アゴラ劇場)
作・演出:Enric Castaya & Experience
出演:非公開

はじめての街まで

1回だけ電車を乗り継いではじめての街とはじめての会場でイデビアン・クルーを観る。去年は世田谷パブリックシアターだったけれど、今回は体育館。天井が白と黒で塗り分けられていて、たくさんまわっているサーキュレータもきっちり白と黒に塗られていたのがなんだか格好よかった。今回はお屋敷の住人たちが織りなす人間模様っていうのが基本設定で、あとは好き勝手にアレンジされているようで細かい背景やらねらいはよくわからない。というかそういうことはあまり気にしないでふわふわぁと眺めていた。ステージと観客との距離が近いこともあって台詞や表情を利用した演出がいつもより多かったかな。面白いか面白くないかというと面白かった。しばらくお休みということで、その意味でも観られてよかった。25日まで西巣鴨にて。

イデビアン・クルー「挑発スタア」 (にしすがも創造舎)
振付・演出:井手茂太
出演:東さくら、金子あい、川村奈実、斉藤美音子、菅尾なぎさ、中尾留美子、依田朋子、宮下今日子、小山達也、佐藤亮介、中村達哉、原田悠、松之木天辺、井手茂太

中村佑介画集

イラストレーター中村佑介の過去作品のほぼすべて、約200作品を網羅した画集が18日に発売。というか既に一部書店では発売中。

氏のイラストは、一見きれいで可愛らしく、とてもわかりやすいのだけど、実はこっそりと毒が仕込んであって、うっかり気付いてしまうと、さらにいろいろ気になって吸い寄せられてしまう、そんな魔の作用があります。でも別にマニアックでも難解でも意地悪でもないので、気がつかなければそれはそれで、きれいで可愛らしくて、わかりやすい良質のイラストとして眺めるのがよいと思います。間口はぐっと広く、でも懐もずっと深い。そんなところがとても気に入っています。

説明なんておいといて、ただひたすらに作品を並べたずっしりとした画集は、シンプルで饒舌です。

[img] BLUE

マウスパッド付きの限定版もありますよ。

あの子の考えることは変

本谷有希子の「あの子の考えることは変」を読了。相も変わらずの本谷有希子小説なり。ルームシェア友だちの巡谷さんと日田さんが隠された能力を解放していく愉快で痛快な話。愉快でも痛快でもないけどそれが愉快で痛快。グルーヴ先輩とか高井戸症候群とかそういう意味がわからないけど無駄にパワフルな感じが好ましいです。おすすめはしないけど。

本谷有希子と宵山万華鏡

本多劇場で本谷有希子を観る。あら、面白いじゃないの。とくに最近のナイロンには出演していない松永さんが好演。暑い中、観に来た甲斐があった。

劇団、本谷有希子「来来来来来」 (本多劇場)
作・演出:本谷有希子
出演:りょう、佐津川愛美、松永玲子、羽鳥名美子、吉本菜穗子、木野花

往き帰りなどに「宵山万華鏡」も読了。作者の類型によると今作は次女にあたり、全体としてはふわふわほんわか系であるが、その中では腐れ系度合いの高い「宵山劇場」の章が最も好み。ただ「夜は短し歩けよ乙女」のような全篇通じての躍動感はなく、むしろ静寂に包まれたきらびやかさを感じる。実際に行ったことはないけれど、「宵山」の華やかさと懐かしさと、ほんのちょっとの怖さみたいなものを純粋培養したような作品。決して突飛なことはしていないのだけど、うまいなあ、と思った。

近況

世間では冷夏だ、猛暑だと申しておりますが、我が家は風がよく通るせいか、窓を開けておくと思いの外に涼しい風が入って過ごしやすいです。むしろ寒いくらい。夏なら夏らしく暑い方がよいとも思いますが、涼しいに越したことがないので冷夏でも構いません。ただ天気がよいと気分もよいので、ベランダあたりで陽気にふれつつ部屋でゆっくり過ごすような感じでいると夏が過ぎている、というような過ごし方をして気がついたら秋になっているといいなあと思います。最近は合間を見ながら、2001年宇宙の旅から始まるアーサー・C・クラークの4連作を読んだり、ドラクエをしたり、Macを修理に出したりしています。芝居は最近観ていません。いよいよマイブーム終了か、とも思いますが今週末に1つ観に行きます。久々なので緊張します。緊張はイヤですが、じりじりする感じは心地よくもあるので嫌いではないです。たまにはじりじりするくらいがちょうどいいと思うので、みんなじりじりしましょう。