明大前でイキウメの試演会を観る。初イキウメ。オーソドックスで好み。それに上演時間が60分というのも良かった。1月の短篇集も観に行くのでそれも楽しみ。
イキウメ「煙の先」 (キッド・アイラック・アートホール)
作:前川知大
演出:イキウメ役者部
出演:浜田信也、岩本幸子、緒方健児、篠塚茜
五反田団観劇。あまりにもゆったりのんびりだったので、気持ち良くなって眠りたくなる。目の前で面白いことが行われているのに、寝ちゃってもいいかな、と思えるある意味贅沢な夢うつつの80分。とはいえ取り立ててほんわかとしたストーリーでもなく、シュールでトリッキーでシンプル。ただし、今回はサービスはほとんどない。2月に早くも新作公演。10月には東京芸術劇場でも。
ところで、アトリエヘリコプター隣の廃墟みたいな建物が更地になっててちょっと残念。
五反田団「すてるたび」 (アトリエヘリコプター)
作・演出:前田司郎
出演:黒田大輔、前田司郎、後藤飛鳥、安藤聖
乃木坂で詩人、萩原朔太郎の半生を題材とした芝居を観る。久しぶりに演劇らしい演劇というか芝居に題材もあいまってノスタルジー。全篇に渡ってのピアノ演奏がなにより素敵でした。
引き続いて、小雨が降る中、六本木の外れまで歩いてクリウィムバアニーを観る。4月同様、ポップで確信犯的。今回は、ドラムにシンセサイザ、トランペットに野菜を囓る音といった即興による音とダンスが心地良かった。寒かったけど。そのうち、こことかにレポートが載ると思うけれど、とりあえず前回のビデオをどうぞ。ところで、たぶん衣装はこのときと同じなんだけど、今回は11月で野外。ステージ中央に置かれた炬燵がライフラインみたいで面白かった。寒いそぶりひとつ見せずに根性見せてました。
おおののvol.1「世界の中心で、朔太郎をさけぶ」 (乃木坂コレドシアター)
作・演出:大野裕明
音楽・ピアノ:保坂修平
出演:浅田よりこ、各務立基、八代進一
comainu+Jimanica with クリウィムバアニー「光のしるし」 (六本木ヒルズアリーナ)
青山でクロムモリブデンを観る。今年3回目。前作よりマイルドでストーリー性があったような気がするけど、そういう細部より、全体の流れを支配するリズムが心地よく、観ていて楽しい。内容を咀嚼しながら観るよりも、目の前で行われている行為をただ観ていることが、何というかとても気持ちがいい。楽しみ方として、芝居よりも音楽に近いのかも知れない。
絶賛追跡中のハイバイとは対極のようなクロムモリブデンもまた大好きで、好きなものが座標上に点在するのを確認するにつけ、あべこべですなあと思いつつも自分らしくてそれもまた好ましい。ただ、小劇場系ばかり観ているので、多少は名の通ったところも観てみないことには申し訳が立たない、と思ったとか思わなかったとかで、野田地図のパイパーを狙うも予想通り抽選漏れしたので、有名なところは面倒だなあ、とか思ったり思わなかったりしたのち、イキウメの試演会と来年のNHKシアターコレクションを楽々確保して、諸君、小劇場(愛好者)の未来は明るいぞよ、と曰ったりしたとかしなかったとか。
クロムモリブデン「テキサス芝刈機」 (青山円形劇場)
作・演出:青木秀樹
出演:森下亮、金沢涼恵、板倉チヒロ、奥田ワレタ、木村美月、久保貫太郎、渡邉とかげ、板橋薔薇之介、幸田尚子
夜、リトルモア地下で岩井秀人。と揃えたところで、本日はハイバイ特別追加公演を観る。稽古はしないと言っていたけど、3時間だけしたらしい今夜限りの似非配役による2本立て公演。でも思ったよりはちゃんとしてて、役者ってすごいね、と思ったり、でももっとぐだぐだになった方が面白かったかなあという感じで、たぶん今日来ていた人の多くはそんな感じだったようで、変な間ができたりして不穏な空気が流れると、クスクス笑いが漏れる展開に。それにしても篠田さんのフリーダムな感じがとてもよろしゅうございました。ハイバイ、次回の本公演は来年6月。あと、岩井さんは来春、フェスティバル/トーキョーの「火の顔」にも出演予定。ってかなりの熱の入れようですね。うふふ。
ハイバイ「オムニ出す」 (リトルモア地下)
<落語> 男の旅 -なつこ編-
作・演出:岩井秀人
出演:岩井秀人、坂口辰平、夏目慎也、師岡広明、石澤彩美
<いつもの> ヒッキー・カンクーントルネード
作・演出:岩井秀人
出演:篠田千明、岩井秀人、坂口辰平、平原テツ、川田希
昼、スズナリで田畑智子のひとり芝居を観る。ひとり芝居は難しかろうに、と思っていたけれど、そして実際に難しいと思うけれど、とても良かった。もともと実力派にカテゴライズされる役者さんではあるのだけど、うまいし何より力強く、観客を不安にさせることなく安定して余裕を装って(装えることがなにより大切だと思う)芝居をしていた。脚本も面白いし、「演劇」というものの面白さをすごくわかりやすく理解できる公演だと思う。
ひとりで何役もこなしたり、同じセットなのに朝だったり夜だったり、テレビを付けてもテレビは映らなかったり。そういう出鱈目を取り込んで作品として見せるのが演劇だと思うし、そもそも作り物である時点でリアルであれば良いという訳でもないのだから、如何にうまく、面白くデフォルメするのかが作家や役者のオリジナリティであり、観ていて楽しいところなんだと思う。シリアスだったり、笑いだったり、タイプはさまざまあるけれど、エンターテイメントとしてもっと認められてもいいのにね。
などと思わせる田畑智子のひとり芝居はあす月曜日まで。下北沢スズナリにて。おすすめです。
トム・プロジェクト プロデュース「バッタモン」 (ザ・スズナリ)
作・演出:中津留章仁
出演:田畑智子
夜、パルコで本谷有希子。前作、前々作と個人的に今ひとつな感じで今回合わなかったら、次回はスキップしようかな、と開演を待ちながら考えていたら、ずずっと引き込まれて2時間終了。面白い。ホームドラマじゃない、突飛な設定じゃない、フツーの日常空間での歪みに歪んだ人びとのお話。
いろいろな背景を背負いながらも、心の中で折り合いを付け、ふつうに暮らすふつうの家族。それがふとした、天災のような切っ掛けから折り合いが崩れていく。歪むことなんてふつうで、ふつうに暮らすということは歪みを抱えて、折り合いを付けて生きることなんだ、ってことを指し示しつつも、そんなことより、テンポとはち切れ具合がちょうどいい。ほぼ全員が好演。今度の本谷は面白い。
ところで、パルコ劇場は帰りのエレベータ待ちで、現実に引き戻すというか余韻を引きずらせない構造なんだろうか。
パルコ・プロデュース 劇団外、本谷有希子「幸せ最高ありがとうマジで!」 (パルコ劇場)
作・演出:本谷有希子
出演:永作博美、近藤公園、前田亜季、吉本菜穂子、広岡由里子、梶原善
先週に引き続いて、ハイバイを観る。今日も2本立て。ヒッキーのは毎年やっているそうだけど観るの初めて。その名の通り引き籠もりの話なのだけど、自我炸裂とか自我崩壊の話はホントにうまい。観ていて同族嫌悪的な自己嫌悪に陥りそうになるほどにうまい。でも救いがあるというか優しさがある、んだけど、きっとそういうことはどうでも良いというか、そういうことを含めてちゃんと笑いに昇華できているのが好きなんだろうな。続いてのフランスは、ハイバイ的解釈の快快(ファイファイと読む)といった趣で、らしくない踊りと歌とドローイングという肉感的な演劇。なにより篠田さん(快快)がとても良かった。素晴らしい。そしてそんな篠田さんがヒッキーの妹役をやり、岩井さんが落語の森役をやる、偽キャスト追加公演が来週1回だけ開催されるので、これはもう観に行かない訳にはいかないのです。稽古なしでやるそうなので、明らかなる番外編であり、ふたりの破壊力を堪能する芝居となるでしょう。
ということで、ハイバイは都合3回観る訳だけれど、1回2,000円なので、3回観ても6,000円しか掛からない(実際にはセット券を使っているので5,500円)。これでも映画に比べたら割高だし、高いという感覚を持つ人も多いと思うけれど、生で目の前で繰り広げられる商品の価格としては十分に安いと僕は思う。それに比べると例えばナイロン100℃の最近の公演は6,800円程度。つまりハイバイ3回分では1回すらも観られない。では、ナイロンがハイバイの3倍面白いかというとそうとも限らない(このあたりは人によると思うけど)。じゃあつまり結論としてハイバイ観る方が得だよね、ということを言いたい訳でもなく、ナイロンの芝居を作るためには6,800円必要であるし、ナイロンの2,000円の芝居が観たい訳でもない。ある程度以上の作り込みを行うためには、それまで以上のコストが掛かり、投資効率は落ちていく。ただ、それでもあらゆる角度で作品を煮詰めていく、その価値を求める需要があり、それを感じる場合に、ある人は作り、ある人は観に行くだけのこと。そして同時にいちばん表現したいことだけを作り込んでいくことでコストを抑えて良いものを作ることもまた可能だと思う。何を持って品質が高いとするかは人それぞれであり、各人にとっての品質という基準が1つのもの差しである必要もない。
ハイバイ「オムニ出す」 (リトルモア地下)
<いつもの> ヒッキー・カンクーントルネード
作・演出:岩井秀人
出演:岩井秀人、坂口辰平、端田新菜、平原テツ、川田希
<フランス> コンビニュ または謝罪について
作・演出:岩井秀人
出演:永井若菜、坂口辰平、篠田千明、師岡広明
原宿にてハイバイのソワレを観る。めずらしく初日公演。短編の2本立てで、どちらもゲラゲラ笑う。ハイバイは、全体を通したストーリーより、ちょっとした部分のディティールを過剰に追求してくるのだけど、今回もとても面白い。過剰と言っても無理矢理ごり押ししてくるというより、全体としてそろいも揃ってひ弱軟弱系であり、爆笑大笑いというより失笑クスリ笑い系である(でも今日はいつもよりよく笑ったなあ)。なんにせよ、こんなに「間」が心地いい劇団ってほかにあまりないと思う。「間」でドキッとしてニヤニヤしてしまう。あと何度も書いているけど、岩井秀人は面白い。演出力や演技力がどうのというより、作り出す空気が最高に面白い。
初日なのでアフタートーク、というかアフターアクトがあった。ふつう、アフタートークというものは本番とは区切られた俯瞰の世界になると思うのだけど、今日は本番と地続きな世界が広がっていた。とても盛り上がる。おそるべし。アフタートークは水曜日まで。急げ原宿に。
ところで、リトルモア地下のあたりは原宿の喧騒から離れて静かで夜は暗くて、駅から少し距離はあるのだけど、往きも帰りも歩くのが楽しい。
ハイバイ「オムニ出す」 (リトルモア地下)
<SF> 輪廻TM
作:前川知大
演出:岩井秀人
出演:岩井秀人、金子岳憲、師岡広明
<落語> 男の旅 -なつこ編-
作・演出:岩井秀人
出演:坂口辰平、高橋周平、夏目慎也、師岡広明、石澤彩美
ずっと前に買っておいて、いつ観ようかいつ観ようかと楽しみを先延ばしにしつつ、3時間は長いからねと先送りにしていた「消失」のDVD。「シャープさんフラットさん」の余勢を駆って、今が頃合いか!と本編167分とメイキング57分とオーディオコメンタリー167分を一気に観て死ぬ。
大所帯の「シャープさんフラットさん」からがらりと変わって6人の役者による贅沢な舞台。前評判がとても良くて、だから安心して観ていたというのもあるのだけれど、純粋でまっすぐな6人の登場人物たちがとても愛おしくて、とてもぐっと来て困った。なにより寝るタイミングを逸して困った。コメンタリーの馬鹿馬鹿しい話が、なおさらに愛おしさを際立たせてきらきらする。誤用な気がするけど、まあとにかく良かった。きらきら良かった。あー劇場で観たかったなあ。コメンタリーで、いつか再演したいと言っていた言葉を信じて待ちたい。
ところで、「シャープさんフラットさん」のパンフレットは、15周年のアニバーサリーということで豪華2冊組。ずっしりと読み応えがあるが、一部ネタバレが含まれているので、観劇後の精読をおすすめする。なお、廣川さんのカットがいやに格好良くて笑える。笑わすものではない、ということも含めて良いカット。
ナイロン100℃「消失」 (2004年)
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:犬山イヌコ、みのすけ、三宅弘城、大倉孝二、松永玲子/八嶋智人
土曜日と日曜日にナイロン100℃の「シャープさんフラットさん」を観劇。
今回は2本立て公演なので2日に分けて観たのだけど、最速先行で同日に予約したにも関わらず、土曜日が後ろから2列目で、日曜日が最前列というメリハリの効いたポジションを割り当てられる。が、それはそれでワイドにズームに堪能できた。劇団を2つに分けているのにこれだけのものを創れてしまうところにナイロンの底力を見たと思う。
ブラックとホワイトを両方観て違いを楽しんでやろうという魂胆だったのだけど、思ったほどの違いはなかったかなあ、という感想。前作「わが闇」より咀嚼するのに時間が掛かる気がする。話自体の違いより、チームのメンバー構成から生まれるグルーヴの違いが際立つ感じだろうか。好みが大きいと思うけれど、個人的にはブラックの方が好きな役者が多かったせいもあり、良かった。ブラックを先に観たことも大きいと思う。ブラックのクールさが下敷きにある状態で、ホワイトの優しさを観てしまうとちょっと緩いとも思えてしまう。でも繰り返すけれどこれは好みの問題であり、逆に感じる人もまたいると思う。そういうことが面白みとして計算されているのだろう。
主役の大倉孝二と三宅弘城はいずれも出色の出来。全公演出演、おつかれさまです。そして、犬山イヌコ、村岡希美、みのすけ、峯村リエ、長田奈麻、新谷真弓、皆戸麻衣、坂井真紀、小池栄子、マギーが好演。役者の名前を書くとき、敬称を付けるか、呼び捨てにするかでいつも迷うのだけど、今回は敬愛の気持ちを込めて敬称を付けずに書いておきます。あと、植木夏十がとても良かった。コメディエンヌとしての力をメキメキと付けている感じでとても頼もしい。12月のKERA・MAPの出演もとても楽しみ。
とここまで書いてきてなんだけど、個人的には前作、前々作の方が好みではある。
ナイロン100℃「シャープさんフラットさん」 (本多劇場)
作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:ブラックチーム:大倉孝二、犬山イヌコ、みのすけ、峯村リエ、長田奈麻、植木夏十、喜安浩平、大山鎬則、廻飛雄、柚木幹斗、水野顕子/小池栄子、坂井真紀、住田隆、マギー/三宅弘城
ホワイトチーム:三宅弘城、松永玲子、村岡希美、廣川三憲、新谷真弓、安澤千草、藤田秀世、吉増裕士、皆戸麻衣、杉山薫、眼鏡太郎/佐藤江梨子、清水宏、六角慎司、河原雅彦/大倉孝二
金曜日の夜、NHK教育にて、イデビアン・クルーの「排気口」が放映される模様。スタイリッシュなんだけど、取っつきやすくすんなり入り込んで楽しめます。おすすめナリ。
原宿の外れ、原宿駅側部乗降場の裏側あたりにて、東京デスロックの「CASTAYA」を観劇。冒頭から40分間立ち続け無言で観客と正対する女優とカステーヤ氏による解説の構成。退屈と静寂と思考のギリギリのところで成立するギリギリの演劇。ケースによっては成立していないかもしれない。公演中はさまざまな思いが去来したものの、蛇足的なもう一つの解説も含めて納得。洗練と蛇足。カステーヤ氏の次作は如何に。というか多田氏の次作に期待。あと役者ってすごい、と思った。
東京デスロック REBIRTH#2 演劇LOVE2008〜愛の行方3本立て〜
倦怠期「CASTAYA」 (リトルモア地下)
作・演出:エンリク・カステーヤ
出演:非公表
待望の秋にも相変わらず芝居を観る。本日はスロウライダーの「トカゲを釣る -改-」。一度観たかったスロウライダー。観たかった「トカゲを釣る」の再演。再演と言いつつ初演とはだいぶ違うらしい。しかし初演は観ていないので、気にせず観る。気にしすぎるのは楽しくない。濃すぎるキャスト。一幕ものながら飽きさせない展開。いや面白い。とても面白い。もしかしたら初演観た人には不評なのかもしれないけど、シンプルなのにこの濃厚さはすこぶる好み。満足。あす千秋楽。
スロウライダー「トカゲを釣る -改-」 (シアタートップス)
作・演出:山中隆次郎
出演:數間優一、芦原健介/日下部そう、金子岳憲、町田水城、大和広樹、中川智明/遠藤留奈、岡村泰子/林灰二/泉陽二
てっきり原宿だと思っていたら下北沢だったことに前日気づく。危ない。しかるのち、駅前劇場にて芝居を観る。プロデュース公演なので役者は各劇団からの寄せ集めにして(個人的に)豪華。それでいて会場は小劇場というアンバランスさに期待が高まる。往々にして期待の高いものには落胆させられる傾向があるものだけど、良く、そして面白かった。で思ったのだけど役者としての岩井秀人がやはり素晴らしい。作演としても好きだけど、役者・岩井秀人をもっと観たい。
折り込みチラシを見ていたら、10月のハイバイ(岩井秀人主宰)がオムニバスなのは知っていたけれど、2公演に別れての開催であることを初めて知り、計画変更を余儀なくされる。仕方がないのでアフタートークもあるので初日に行ってみようかしら。あと11月は五反田団。
「ペガモ星人の襲来」 (駅前劇場)
作:後藤ひろひと
演出:関秀人
出演:大内厚雄、吉岡毅志、小椋あずき、有川マコト、柿丸美智恵、岩井秀人、瀧川英次、町田カナ、森啓一郞、後藤飛鳥、森下亮、板倉チヒロ、黒岩三佳/赤星昇一郎/関秀人
三軒茶屋にてイデビアン・クルーを初観劇。うーん、素晴らしい。フレームだけのセットと途轍もなく広がりのある空間で繰り広げられる舞踏。和装ダンスに始まり、意外にも笑いありの芝居仕立てなことや、司会役の八嶋さんを交えた井手さん、安藤さんのポストトークがセット解体の中で進められたことを含めてとても満足。カーテンコールはトリプル。
その後、渋谷経由で新宿に移動して、劇団宝船のソワレ。宝船は大好きな劇団なのでとても期待していたせいか、冒頭のいやに浮ついた芝居が、狙いとはいえ微妙に思えてそわそわしてしまったものの、それ以降は流石に面白い。男女関係における機微というか新井さんの脚本は相変わらず上手い。そして高木さんの弾け方がすごかった。最近、ここまで弾けた役どころはなかった気がするけど、久々に観たらやはりすごい。アクシデントでセットを踏み外したのも含めて飛んでいた。来夏はひとり芝居をするようなのでそれも楽しみ(脚本・演出もブルースカイ+福原充則と豪華)。宝船の次回公演は来秋。来年、芝居を観なくなっても宝船だけは観に行きたい。
イデビアン・クルー「排気口」 (世田谷パブリックシアター)
振付:井手茂太
出演:井手茂太、安藤洋子、東さくら、金子あい、斉藤美音子、菅尾なぎさ、中尾留美子、依田朋子、小山達也、中村達哉、佐藤亮介、原田悠、松之木天辺
劇団宝船「愛される覚えはない」 (シアタートップス)
作・演出:新井友香
出演:山中崇、山田麻衣子、ブルースカイ、中村たかし、加藤雅人、中島徹、斉藤麻耶、國武綾、新井友香、高木珠里/坂田聡
隣町のシアタートラムにてペンギンプルペイルパイルズの「審判員は来なかった」を観劇。ラーメンズ効果なのか立ち見多数。各処のレビューで書かれているけれど、いつもと違ってストレートな舞台。捻くれて難解じゃないペンギンプルペイルパイルズってのは初めて。スタイリッシュでわかりやすい今回は、ギリギリなところはあったけど、素直に面白い。ある意味チャレンジをしているんだろうな。でもでも次は意地悪でいたずらなペンギンプルペイルパイルズが観たい。そしてペンギンプルペイルパイルズは長いと思うのだけど長すぎて忘れないからいいタイトルだね。
終演後に、8月のイデビアン・クルーのチケットをキャロットタワーのチケットセンターで受け取り、ついでに26階の展望ロビーに昇ってみたり。世田谷っていい街だと思う。ごちゃごちゃしていて、適度に便利で適度に不便なところとか。夜はずっと昔に買っておいてまったく観ていなかった「アナスタシア」を観たり、近所でさっと寿司をつまんだりして、よい夏の一日だった気がする。
ペンギンプルペイルパイルズ「審判員は来なかった」 (シアタートラム)
作・演出:倉持裕
出演:小林高鹿、ぼくもとさきこ、玉置孝匡、近藤智行、吉川純広、安藤聖、片桐仁
暑さから逃げるように劇場に駆け込んで芝居を観る。出演者豪華なり。でもね、でもね、ちょっと話に深みがないというか、どんどん展開して行ってしまって、それで終わってしまった感があるのが残念。駅前最前列ならではの楽しさは十分にあったのだけど。あと、公演中にものすごい音がして、効果音にしてはタイミングがおかしいので、外でビルか何かが倒壊したのかと思ったけれど、あれ雷だったのね。そういえばゴロゴロとも鳴っていたような。終わって外に出たら、晴れていたからすぐには気づかなかった。芝居とは関係ない話でした。
MU「相思相愛確信犯」 (駅前劇場)
作・演出:ハセガワアユム
出演:村上航、葛木英、古市海見子、平間美貴、橋本恵一郎、杉木隆幸、浅倉洋介、熊野善啓、細井里佳、田中涼子、小松君和、川本喬介、岡安慶子、ハマカワフミエ、田中あつこ、足利彩、諌山幸治
井の頭線と中央緩行線を乗り継いで、三鷹駅南口5番のりばから鷹56系統のバスに乗る。5分で降車ブザー。14時42分。東京タンバリンの「華燭」を観劇。17時10分、バスで三鷹駅に戻り、中央快速線で吉祥寺に戻る。青年団の「眠れない夜なんてない」を観る。20時閉幕。めずらしく座って帰る。
青年団はまだ2回目なのだけど、昨年末のに続いて、静寂感がすごい。つまらないとか意味がわからないとか人がいないとかではなく、ぴんと空気が張り詰めて会場内が無音になる瞬間がある。それが意図的に作られているところに、ぞくりとする。「らしくない」という評価もあるみたいだけど、「らしさ」がまだ理解できない身としては、台詞のすばらしさ、自然すぎて空気のような芝居、そして鼻につかない演出、といったベテラン劇団のどっしりとした安定性に、どちらかというと主題とは関係のない軽薄な笑いの仕掛けが乗っかった舞台は、とてもしっくりと感じられた。おっさん劇団(失礼!実際には若い人も多く居ます)なのに、このなんというか「緩さ」がすごいと思った。決して攻めているのではなくて(本気で攻めているのだとしたらちょっと格好悪い)、むしろ余裕なんだろう。ここまできっちりやって尚かつ余裕があるなんてずるいなあ。すごく格好いい。
東京タンバリン「華燭」 (三鷹市芸術文化センター 星のホール)
作・演出:高井浩子
出演:今井朋彦、井上幸太郎、佐藤誠、瓜生和成、森啓一郎、坂田恭子、島野温枝、ミギタ明日香、遠藤弘章、大湯純一、大田景子、塩入美喜子、田島冴香
青年団「眠れない夜なんてない」 (吉祥寺シアター)
作・演出:平田オリザ
出演:篠塚祥司、大崎由利子、山内健司、ひらたよーこ、松田弘子、足立誠、山村崇子、志賀廣太郎、辻美奈子、天明留理子、渡辺香奈、大塚洋、大竹直、髙橋智子、堀夏子
駅前劇場にてハイバイの新作公演を観る。いつもと違う、対面式の客席配置でやけに広い劇場に軽い感銘。こういうこともできるんだね、駅前。袖が無いので、役者の待機も丸見え。チェルフィッチュの「フリータイム」も役者の待機が舞台上で行われていたけど、あちらは待機中も演技が入っていたのに対して、こちらはあくまで出番待ちしていますよ的な印象を観客に与えるべく演出されていた。袖に無表情で待機する役者が出番が来るとそのまま舞台に上がり、出番が終わると袖に捌ける構成。こういう演出は面白いと思う(チェルフィッチュのもハイバイのも)。
今回の芝居は、家族を題材に祖母の死の前後の場面を、部屋の内と外という視点で2回繰り返して見せることで、(観客の)受け取り方が変化する構造を持っている。これも面白いのだけど、変化があまりはっきりしないところもあり、ちょっと難解なところがあった。180度がらりと変化してしまった方がわかりやすいと思うのだけど、それだと脚本としての整合が取れないのだろうか。あるいはそういうわかりやすさは狙っていないのかも知れない。まあしかし総じて面白くて楽しかった。シリアスと笑いのバランスも好み。鳥のフンのシーンとか、必然性が全くないと思うのだけど、そういう「地味な」仕掛けはハイバイっぽい。ごく簡単に言ってしまえばシュールなのだけど、好きだ。爆笑、というより、クスリ、という感じの笑いがあって、あ、終わった帰ろう。という感じの芝居がなんというか心地よい。僕の場合、面白い芝居と詰まらない芝居を観た後の表面的な違いはほとんど無い。
ハイバイ「て」 (駅前劇場)
作・演出:岩井秀人
出演:金子岳憲、永井若葉、岩井秀人/能島瑞穂、町田水城、平原テツ、吉田亮、高橋周平、折原アキラ、上田遥、猪股俊明、古舘寛治