いつの間にか中国に行ってしまった川島蹴太がまさかの復活というか、そもそもまさかというほどの驚きを伴って迎えられるほどの認知はきっとないだろうと思われるテトラプルトラップの新譜が「淋しい熱帯魚」だなんて、もう狙いなのか、天然なのかはどうでもよくて、こういう人を食った言動の憎々しさと痛快さが、チクチクとした胸の痛みとともに単純に面白い。ちなみに「淋しい熱帯魚」は紛れもなくWinkのカバー。1989年。
ナイーヴポップ・オア・プチフールの「アイ・ラブ・エヌ・ピー」は、根尾亜子、って誰だ、ネオアコ全開で、あまりに胸キュン過ぎて胸焼けする感じがとても好感が持てます。今時誰が聴くんだよ、なんて言わないで聴きたい人だけ聴けばいい。聴きたくない人は聴かなければ知らずに済んでそれもハッピー。手作り手ぬぐいジャケットにライナーノーツと元ネタガイドまで付く悪趣味ぶりにニタニタしながら、こういうチープと過剰の混沌みたいなものの行く末に思いをはせる、なんて出鱈目なことを思ったりした。いや、しない。
フリッパーズ・ギターやピチカート・ファイヴなどへの懐古でもなく、小沢健二や曽我部恵一らへの憧憬でもなく、それらへのアンチとしてのカプセルやプラスティック・スクイーズ・ボックスでもなく、純粋に好きなことをやっているだけ、みたいな姿勢は、まったくの時代錯誤で時流に乗り遅れた純然たるダサさを遺憾なく発揮しながら、ゴーイングマイウェイで「それが何か?」とひとこと言って、さっさと行ってしまう、そういう痛快さが何より格好いいと思う。実際のところは知りませんけどね。
それとこれとはまったく関係がなく、ずっと前に買って塩漬けにしていた「鉄コン筋クリート」が奇跡的に発掘されたので観る。浅いんだか深いんだかよくわからないストーリーも良かったり悪かったりするけど、それより何より絵がすごい。とても自由で潔く、観ていて気持ちがいい。今さらこんな感想を書くくらいの自由さがとてもとても大切。自由であるべきは環境ではなく思考なのだ。
すごいすごいとは聞いていたけど、カジヒデキの新譜が渋谷方面一直線過ぎて笑った。タイトルがロリポップで、ジャケットが北欧な女の子で、音楽は80年代だなんて趣味の悪い冗談のようなホントの話。「1000 Heartbeats」なんて、堀江博久、真城めぐみ、Yoshié、小山田圭吾とかいま何年? みたいなことになってて、ああカジくんしかできないよね、これは、だなんて思ったりして、いいのこれ? いいんじゃない? いいよね、そういう感じで進む、冗談じゃなくて真面目な2008年のアルバム。
Wii Musicが思いの外、楽しい。僕は楽器はほとんど演奏できないけれど、それを差し引いても、演奏がきっちりとエミュレートされている訳ではない。むしろかなりアバウト。でも確実に楽しい。楽器が弾けて楽しい、というより、音で遊んでいる感じがとてもいい。きっちりと作り込まれていて、飽きさせないというか、難易度で取り残されない工夫がそこかしこに仕組まれている。さすが宮本作品。みんなでやるととても楽しくてニコニコこしてしまうので、そういう感じになりたい人にはおすすめ。みんなでニコニコ。
先日のクラブハイツ公演で先行予約した「記憶喪失学」が届いたので、ぐるぐるとロンドの如く聴く。うっとりとしてざわざわとする。とても良いアルバム、だと思う。
つじあやののカバー集が取り立ててどれが良くて、というのではなくてどれもが良くてうれしい。近頃、カバーものが多くて、何となく何だかなあとか思って手を出していなかったのだけど。へそ曲がりなので。
京都でフィールド・レコーディングされた2枚目は、子どもの声や鳥の囀りなどの喧噪が背景に流れていて、それがとても心地良い。糺の森での「美しく燃える森」とか、鴨川での「君は天然色」とか。カバーイラストは中村佑介氏。初回限定盤に収録されたPVを観ると京都に行きたくなると思うな。
降ったり止んだりの天気の中、目黒だと思ったら都立大学が最寄りだっためぐろパーシモンホールにて、菊地成孔が自宅から持ってきたCDをアトランダムに掛けて適当にしゃべるというWANTEDとかTHE UNIVERSEあたりのファンには堪らないイベントに参加する。時間の都合で第二部だけ行ったのだけど、18時半開演のはずなのに開場時には既に本人がステージに鎮座して話し始めてたのがらしいと言えばらしい。予想通り、適度に脱線しつつ、ペペ・トルメント・アスカラールの新曲も聴けたりして満足。あと、東横線に乗ると地元という感じで落ち着く。
タイのフリッパーズ・カバー盤を聴いたり、難儀していた「熊を放つ」を読んだりしていたら、夏はいつの間にか終わっていたんだよ。というようなことはなく、計画的に夏は終わり、秋が始まるのは世の常、世の掟。このまま潔く終わってくれたら格好いい夏だったよ、2008年は。と記憶に刻まれるかもしれないそんな夏の終わりに、コーヒーミルク・クレイジー。
花火でも観にぶらりと出掛ける、のではなく、今宵は日比谷に出掛けて音楽に浸る。蝉と花火の音を背景にして、次第に陽が落ちていく公園の中で、2つの音楽が聴けて幸せ。憂鬱と躍動、あるいは、終演間近の小雨と終演後の大雨なんて、さもありなんな構図はさておいて、アンコールの菊地成孔×スカパラと会場中の笑顔がすべてを物語る、とてもハッピーでピースフルなイベントでした。
「野蛮人の夜会」 (日比谷野外音楽堂)
出演:菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール、東京スカパラダイスオーケストラ
ただひたすらに眠い日々が続く。春眠暁を覚えずだとか五月病、あるいは台頭する六月病なんてものはなんなのだろうと考えるまでもなく過ぎ去ってしまった。というか六月病とかそういうのはただ理由付けて安全地帯に逃げ込んでいるだけなのではないのでしょうか、とか思ってしまうのはデリカシーがないのでしょうか。順風満帆だけの人生なんて無いのだから(第一、そんなの面白くない)、その時々のアクシデントをどう乗り越えていくかが大切なことであり、その人の生きる意味ではないのかなーとMEGの新譜を聴きながら思いつくままにお送りしております。どう乗り越えるかは人それぞれ、個人的にはうまく乗り越える必要なんてまったく無いと思うけれど、結果はどうであれ乗り越えようとする意思が美しいんじゃないかと思います。なんだか知らないけど、MEGと柚木隆一郎の新譜が2枚ずつ届いたので、返品しなくちゃ。MEGはジャンクでいいですね。冗談の冗談みたいな感じで。
cornelius soundでこの間のツアーのあれやこれやが発売になったと思いきやパンフがいつの間にか売り切れていて悲しい思いをしています。4,500円に躊躇している場合ではなかった。悔し紛れに今さらにツアーのセットリストを掲載。OmstartとかTonerあたりがもしかしたらライブでは初めてかも。でも真骨頂はツアーがビデオ化されても決して収録されないであろうAnother View Pointでしょう。
The Cornelius Group "Ultimate Sensuous Synchronized Show" at Tokyo International Forum Set List
来週の「週刊真木よう子」は江口のりこ出るのねん。
先日のコーネリさんのライブであまりの物販エリアの混雑に即座に回避を決断してしまう程度に歳を取ったと自覚している訳ですが、物販パンフを見ていたら、2002年のツアーで発売された「I LOVE LOVE / I HATE HATE」の5インチ盤が欲しくなったので、なんとか手に入らないかなーと思って探していたら、HMVで買える模様。とりあえず入手してデジタル化しました。便利で素敵な世の中です。
レビューの「CDサイズのアナログなので、いつでも何処でも持ち運べます。」ってあたりが仄かに面白い。そんなに持ち歩くのか。
以下は東京国際フォーラムでのULTIMATEなオープニング。紛れもなくULTIMATEですがライティングミスが見どころです。嘘。ちなみに当日、撮影、録音はOKでした。録画がOKなのかについては不明。
日曜の余韻な感じでいくつか。
Opening #1 (NYC)
Opening #2 (Coachella 2007)
Opening #3 (Hiroshima)
Count Five or Six
Gum
Fit Song (PV)
Star Fruits Surf Rider
E
Music (PV)
おまけ #1 : Love Parade feat. NOMIYA Maki (Ugo Ugo Ruga)
おまけ #2 : Count Five or Six (Yo Gabba Gabba)
おまけ #3 : Coloris (Nintendo bit Generations)
おまけ #4 : Eyes
国際フォーラムにてザ・コーネリアス・グループを観る。とてもとても素晴らしかった。ホールだけあってこれまでよりもずっと高音質・ぐっと高画質。ちびまる子ちゃんやら矢沢永吉やらカオシレータやらテノリオンやらギミック満載。最後はスタンディング・オベーション。これから開催の名古屋と大阪がうらやましい。
ホールツアー対応の新セットリストはそのうち書きます。
The Cornelius Group "Ultimate Sensuous Synchronized Show" at Tokyo International Forum
演奏は、よりタイトに!
映像は、よりシャープに!
輝きを増した照明、お待たせの、新メニューも!!
過酷な欧+米ツアーを経て、けいけんちが69あがったザ・コーネリアス・グループが、みんなのニッポンに帰ってきた!国内三大主要都市で開かれるワールド・ツアーの最終ステージは、ナイス・エイジの成熟度を余すところなく伝えるデラックス・エディション。
シンクロ率200%!!!
エルマロ復活。渋谷系とかくだらないことはもう放っといてガーっと聴くがよろしい。地に足着いた浮遊感に疾走して緩く怠い刹那の49分。
今まで気がつかなかったのだけど、今度のツアーは "ULTIMATE" なんですな。なにが "ULTIMATE" なのかを気にしながら楽しみにしています。あれ、ホールだから?
![[pic] THE CORNELIUS GROUP "ULTIMATE SENSUOUS SYNCHRONIZED SHOW"](http://candylogue.net/img/080127-01.jpg)
年が変わってもあまり代わり映えのしないなか、いつしか1月も終わろうとしていますが、それでも着実にものごとは動いていて、周りも変わって行っているわけです。移ろいゆくことを感じることはなぜかざわざわしますね。ということはさておき、雪も降ったことだし、そのうち花粉が飛び、梅が咲き、桜が舞い、鳥たちは唱うのでしょう。ラララ〜。
DJ CodomoとYMCKの新譜がよかった。コドモさんのは突き抜けるかっこよさではなくて、落ち着いたかっこよさ。長く付き合えそう。YMCKのはこれまでよりマイルドでしっとり。敏感肌にも安心です。
YUKI という人の生命力はすごい。惚れ惚れする。それでもってかわいいというのは何たる狼藉か。こんな出鱈目な文章はどうでもよいので毎日 30 回聴くように。
"ビスケット" がネット配信された時に mora か何かで買ったのだけど、OS を入れ替えたりとかしたら聴けなくなりました。DRM に死を。つまりビスケットはいい曲です。
”きみとぼく” が素晴らしい。これだけでいい。だからシングルでもいい。どちらかと云えば強いて云えば紛れもなく桜井派です。
復帰 2 作目。"Stand by me" の方がよかった。つまり、前作とは違うことをしたわけで、それは真っ当なことであり、余裕があると云える。というか ”There will be love there” に対する ”冷たい花” じゃないのかこれは。
これだけ古い。2年前。この前観た「サマータイムマシン・ブルース」のエンドロールで流れていた "LCDD" という曲がよくて、それで部屋のレコード棚を漁ってみたら収録しているアルバムを発掘し、とてもうれしかったという、ただそれだけの話。
お久しぶり。"Swing In '07 'Bus Stop'" がいい曲だなって思った。
オルタナティブとかいう言葉が当たり前になってしまった今日において、陳腐化しない音と取り組み。新しいだけのものは要らなくて、ポップでカラフルでアグレッシブ、そして新しい。
年に2回のお楽しみ。コーネリさんの中目黒ラジオは元旦22時から。
オーチャードホールにて菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール。鼻をすすりながら照れ笑いする風邪ひきの菊地氏は心なしか少しふくよか(笑)。幕間のタンクレディは大混雑で入手断念。初めてのオーチャードホールだったのだけど、コンサートホールってよいなって思った。音楽はね、それはそれはよかった。云うまでもなく。
「アサッテの人」を読了。かなりトリッキーで挑戦的な小説。でも読みづらくはないし、難解でもない。平易でありながら、ここまで独創的な構成となっていることに驚く。話の内容そのものよりも、その小説としての枠組みというか、骨格部分の自由さに賞賛を送りたい。惜しむらくは、非常に攻撃的な構成であるのに対して、話の深掘りに不足が感じられること。ただそれすらも自由な飛躍の結果なのかも知れない。賛否両論あるようだが、ラストの切れ味は美しい。
話と文体は変わりますが、冬の音楽として定着した感のある堀込高樹ですが、いや嘘ですが、それは僕の中での話ですが、もうひとつ定着している音楽、というか曲として小沢健二の「夢が夢なら」があります。この凛とした透明感と緊張感は、晴れ渡り底冷えのする冬の朝の空気にも似て、とても清々しく、そしてとても悲しいのです。冬は悲しい。悲しくて、寒くて、それが冬のよいところ。今年の冬はポテンシャルが高い。
最近はもっぱらタワレコ派ですが、久しぶりに HMV で物色していて、なんとなくトクマルシューゴの「EXIT」を買ってみたら、よかった。音がやさしい。まあるい。あたたかい。声はカジヒデキみたいだけど。あるいはスパイラルライフ時代の車谷浩司とか。
前田司郎三部作を読了。本谷有希子が情念だとすれば、前田司郎は白けだろうか。でも空っぽでもなくて。共通しているのは、みんな自分勝手。そして自我暴走。ところで前田司郎三部作なんてものはない。